「女性人蔘順血散(じょせいにんじんじゅんけつさん)」は漢方の医薬品です。
婦人血の道の和漢薬として冷え症、生理不順、産前産後等に用いられ、女性の体を健康体にもってゆく和漢の生薬で構成された粉末の医薬品です。冷え症や子宮発育不全などが原因の不妊症の方にも効果が期待できる婦人薬です。
効能
血の道・ヒステリー・頭痛・のぼせ・目まい・立ちくらみ・耳なり・めまい・月経不順・月経前の腹痛・腰の痛み・コシケ・ツワリ・血液の循環をよくする
用法、用量
大人1回量 1包(2.0g)を、1日3回食間に服用する
女性人蔘順血散の主な成分とその効能
1. 鹿子草(カノコソウ)
北海道から九州、朝鮮半島、台湾に分布するカノコソウの根および根茎を用います。多くの漢方薬に、
鎮静薬として配合されていて安全で中毒性がないのが特徴です。
ヒステリー、神経過敏症、心悸亢進(しんきこうしん)に用いられ、ストレスなど神経系の興奮などを抑制して
神経伝達物質の働きを促すことで、神経の興奮を抑えます。
2. 川弓(センキュウ)
セリ科の植物で白い小花をつけます。
血液を補い循環を良くします。体を温め肌を潤す入浴剤にも使用されます。
補血.強壮.貧血.血の道症の頭痛などに効能があり婦人病の要薬として使われます。
3. 牡丹皮 (ボタンピ)
ボタン科の牡丹は大きく豪華な花を咲かせます。血行を促進する効能から、おけつや月経痛などの婦人病、頭痛、腰痛などの痛散にも効果があります。清熱涼血、活血去、抗菌、降圧などの効果が得られます。
4. 夏枯草(カゴソウ)
「ウツボグサ」という草で紫色の花を咲かせます。
中医学の薬用では消炎性の利尿剤として腎臓・膀胱炎の治療に使われています。
またストレスが多く現代社会で軽いイライラ感や頭痛の解消に、古くからリンパ節腫・甲状腺腫の治療には効果が有るとされています。消炎、清肝、散結、降圧利尿の効果が得られます。
5. 牛膝(ゴシツ)
ヒユ科のモンパノイノコヅチやヒナタイノコズチの根を乾燥したものです。
漢方的には活血、痛経、止痛、強筋骨の効能があり、婦人科疾患や関節痛、打撲、神経痛などに用いられます。
血流を整える作用や止痛作用があり、生理不順や生理痛、関節痛に良いとされています。また、他の生薬の効能を下半身に導く引経薬ともいわれ、月経困難症や排尿障害、歯肉炎の治療薬としても知られています。
6. 旃那(センナ)
古代エジプト時代から下剤として利用されていたと言われており、現在でも全世界で便秘解消のために役立っています。
大変効果が強いことから、日本では葉と実が医薬品扱いとなっています。
その成分は胃や腸で消化されることなく大腸に直接届き、腸を刺激し排便を促してくれます。
また、水分の吸収を高める作用があり、便を柔らかく、排便しやすい状態にします。
7. 白芷(ビャクシ)
セリ科のヨロイグサの根を乾燥したものです。
古来、中国の宮廷の女性達により美容用とされたと伝わっています。
漢方的には、解表、止痛、止帯、排膿などの効能があり、頭痛、鼻炎、腹痛、下痢、帯下(おりもの)、湿疹などに用いられます。また、美肌にも効果があるとされています。
8. 葛根(カッコン)
字のごとく葛(くず)の根を乾燥したものです。
葛はマメ科のつる性の多年草で、日本各地の山野に自生しています。『日本書紀』にも登場する葛根は、古来より広く用いられてきた生薬で、発汗・解熱薬として使用されてきました。
主な薬理作用として解熱、冠状動脈の拡張、脳血流量の増加などがあります。
9. 芍薬(シャクヤク)
ボタン科の多年草でピンクや赤や白の花が咲きます。血液を補い、筋肉のこり、痛み、けいれんを和らげる効果があります。頭痛・腹痛・鎮痛などに効果があり、また婦人病の処方にもよく応用されます。
10. 香附子(こうぶし)
カヤツリグサ科のハマスゲと言う多年草でちまたでは雑草としてよく見かけます。根を乾燥させた物は薬草として古くから良く使われてきました。芳香性健胃、浄血、通経、沈痙の効能があるとされ、疏肝理気、調経止痛、鎮痛、子宮収縮抑制などの効果もあります。
11. 当帰(トウキ)
セリ科の多年草でセロリによく似ています。血液不足、血行不良に効能があり冷え性や月経不順、月経痛、更年期障害等の婦人病に処方されます。主に補血、行血、潤腸、調経などの効果があります。
12. 延胡索(エンゴサク)
春、紅紫色の横向きの花を開きます。
浄血・鎮痛・鎮痙薬として頭痛、胸やけ、胃痛、腹痛、月経痛に用いられます。
また、鎮痛鎮けい薬として配合(胃腸薬)の原料とされます。
13. 甘草(かんぞう)
マメ科の多年草で中央アジアから日本まで広く生息してます。根は地中深くまで長く、砂糖の数百倍もの甘味があり、甘味料としても使用されています。緊張や高揚を和らげる作用や胃腸のけいれん、痛みを抑える効果があります。主に緩和.鎮咳.咽喉痛の緩解などの効能を得られます。
14. 川骨(センコツ)
スイレン科コウホネなどの根茎を縦切りにして、乾燥させたもののことです。
川骨(センコツ) は、利尿作用、利水作用、浄血作用、止血作用、強壮作用、解熱、鎮痛作用など、
幅広い効能があるとされます。
浮腫や打撲傷をはじめ、生理不順や不正出血などの婦人科の症状に処方されることが多いものです。
15. 紫蘇葉(ソヨウ)
シソの葉を乾燥させたものです。
濃い紫紅色で特有の香りがする葉をもち、7~9月頃には、淡紅紫色の花をつけます。
体を温め、停滞しているものを動かし、発散させる作用をもちます。
興奮性発汗、解熱、鎮咳(ちんがい)、鎮静、鎮痛、利尿などの効果があります。
16. 益母草(ヤクモソウ)
シソ科ホソバメハジキの全草で、子宮収縮作用、利尿作用、活血調経作用があり、婦人科の常用薬、
リユウマチにも使われています。
唇の色が暗かったり、月経の血に塊があったりするように血の循環が悪いときの生理不順・生理痛・無月経のほか、
産後の腹痛・悪露停滞・性器出血など、益母草は婦人科専門で、乳腺炎にも使われています。
17. 紅花(ベニバナ)
キク科の紅花の花を乾燥させた物を漢方では使用します。血行を促進し体を温める作用があるため、冷え性や月経不順、更年期障害などの婦人病によく処方されます。主に血行促進、子宮収縮、通経などの効果があります。
18. 人参(ニンジン)
高麗人参または朝鮮人参と呼ばれるウコギ科の多年草で野菜の人参とはまったく異なります。ご存知の通り滋養強壮として利用される他、消化機能を高めたり新陳代謝を活性させる効果があります。主に免疫力の増強.血栓の予防.血流改善.疲労回復などに効果があります。
19. 炭酸水素ナトリウム
胃酸を中和する制酸作用、尿をアルカリ化する作用、気管の粘液を溶解する作用があります。通常、胃・十二指腸潰瘍、胃炎、上部消化管機能異常、アシドーシス、尿酸排泄の促進、痛風発作の予防、上気道炎の補助療法(粘液溶解)に用いられます。
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